4月28日の女性だけのシャロームオフ会の席上で、ある会員さんが、『この本フィクションだけどとても面白いので読まれませんか?』と、その本を下さった。その本は、田口ランディ著“キュア”朝日新聞社である。
キュア(cure)とは、治療という意。以前私は、ある方から『この本はとても勉強になるので読んで!』と、半ば強制的に差し出されたことがあった。もともと、読みかけの本があったり、借りた本などがあったので、『今は、時間的ゆとりがないので・・。』と断ったが、『それでも、いつでもいいから読んで見て・・』と、突き出された格好となった。
あまりの強引さに私は、断固拒否(辞退)してしまった。何故ならその本を読むことでその方と同じ物の考え方にさせられそうな思考の押し付けを感じてしまったからだ。
すると、その方は、『分りました。もう二度と貴方には、本を薦めません。』と、きつい口調で言い返された。本を借りる時は、やはり貸して下さる方のお人柄如何により、読む気になるかそうでないか・・が決まるような気がする。
よくよく考えれば、私はその方の生き方というか、その方自体を尊敬するまでに至っていなかった。人に本を薦めるときは、有る程度信頼関係になければそのような行為は慎むべきことではないか・・・と、私はその時思った。
がんにかかり、様々な闘病記や専門書などを読んだが、フィクションはもしかして今回が初めてかもしれない。この本を薦めて下さったその会員さんは、とても自然体で飾らない性格。
『私ストレスまったくない人なの。食事も自然食だったし、それでもがんになっちゃったのよね。』と、さらりっと開けっぴろげにお話をして下さる好感の持てる女性のおひとり。
その彼女のお薦めの本ならと結構分厚かったけど、電車の中とかで読んでいたらあっという間に読み終えた。感想はひとことで言うなら面白い!フィクションだから面白いと言える。
これがノンフィクションならとてもそうは言えない。でも、がん末期患者の闘い様を示唆した本であるとも取れる。作者は、20冊もの専門書を読破してのこの作品を書き上げた。当然ながらかなり現実味をおびている。
会員の彼女がふ箋を貼って有るところは、私が常日頃訴えているがん末期患者の受け入れ不備にも焦点があてられていた。
主人公を取り巻く人間模様も実に面白い。スピリチュアルのカリスマとの問答も小気味いいほどの結末。余命を告知された者の動揺や不安を様々な形で表現し受け止める。
彼に与えられた能力も私は現実離れしているとは思えない。そういう人もいるのでは・・と私は密かに思っている。それを生かした彼の最期は、読んでいて爽快な気分になる。命の捉え方、命の生かし方、命のバトン。いろんな意味で考えさせれられる力作だと私は思う。
本の帯に書かれている言葉を紹介しよう。
若き外科医の斐川竜介は、肝臓がんで余命一年であることを知る。リストカットの少女・キョウコに支えられながら、自らの運命に立ち向かう。
医療現場でやまいとたたかってきた斐川だが、科学のどっぷりとつかりながらも、スピリチュアルのカリスマ、最新がん治療を受ける青年実業家、照射線生物学者との出会いを通じて自分の治療を模索する。
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