フリマ用に献品して下さった本は、フリマではかなり値切られその労力を考えると二束三文になる。そこで本の献品は、幸手のbook off に売りに行く。以前にも書いたが、その査定をしてもらう間に、最近は私費で105円の本を物色するのが楽しみになっている。(献品については、末尾にその説明をさせて頂いている。)
その中のひとつに14年前にスキスル胃がんで亡くなったアナウンサー逸見政孝さんの本を購入していた。先日相模大野の行き帰りにこの一冊を読み上げた。
真面目を絵に描いたような人であったが、見事な音痴と嫌味のない振る舞い。飾らないその性格は、今で言えば、差し詰めTBSの安住アナのような人気ぶりだった。逸見さんがフリーになってからは、どこのテレビ局からもひっぱりだこだった。
彼の記者会見でのがん告知は、衝撃的ではあったが潔い決意表明でもあった。記者から『生還して下さい。』と、声を掛けられると、しっかりその取材記者に向かって、『ありがとうございます。』と、丁寧にお礼を言ったその姿は印象的だった。会場から拍手が沸いた。
彼の3ヶ月の闘病については、今回私が始めて知ることが多く、彼もまたそうだったのか・・というのが正直な思いだ。彼の精神力は、人並みはずれていた。でも、やっぱり精神力ではがんに打ち勝つことは出来なかった。
順調に快復していたにも関わらず腸閉塞が発生した。その原因は腫瘍(がん細胞)だった。そこから抗がん剤投与が始まり、みるみる体力を奪われ、彼は死を受け入れる間もなく次第に衰弱してしまった。
生還すると思っていたから勿論遺言もなかった。家族は、本当に温かく夫を父親をまるで理想的なほどに寄り添った。そういった点でなんて逸見さんはお幸せだったんだろうとこの本をみてそう思う。
彼は、最初の医者に固執した。セカンド・オピニオンなんて医者に悪いと思っていた。そういう律儀な人だった。信じられないような下りもある。彼は当初、前田外科病院の前田医師と新谷医師を信頼していた。
何とも彼は、スケジュールを急遽変更して、ご両人の勧めるアメリカのゴンザレスというがんを治す世界的権威者?(健康食品治療)から治療を受けるために渡米することになっていたそうだ。
飛行機の切符もとれて明日、出発するという前夜、それも真夜中、軽井沢のホテルに宿泊している新谷医師から『先方の都合でこの話はなかったことに・・。』と、キャンセルの話があったという。何と言う愚弄扱い。こんなことがあったなんて・・。
逸見さんの弟さんががんで若くに亡くなっているというのに、その前田医師は、『あまりにものんびりと構えていた・・』と書かれている。東京女子医大に移った時、消化器専門の羽生教授からは、『こりゃ大変だ。なぜここまでほっといたのかね・・・。』と、触診だけですぐにそのがんの広がり具合が分ったという。
スキスル胃がんという悪性度の高いタイプだけでなく、逸見さんは当初がんに精通していない医師に対して心服していたというのは、何と皮肉なことか・・。
この本で一番訴えたいことや投げかけたいことは、読者が判断することだろう。しかしがん患者となりがん患者会を立ち上げた私の立場で物を言わせてもらうとしたら、やはりセカンド・サードオピニオンの大切さだと私は思った。
そしてこの本で一番感じたことは、きっと賛否両論あるだろうから私は控える。私が感じたことは、私の番が来たときにそうすればよい・・と私は思うからだ。
どこかの古書店で105円で買えるかも・・。これもまたお薦めかも・・。
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ps
私は、がんになり自分の為だけに生きるのではなく、社会のためにも役立つような働きをさせて頂きたいという思いからフリーマーケットを毎月開催している。
その品物は、この活動に賛同して下さる方から寄付(献品)をして頂く。そして、それを売却したお金は支援を必要としている機関に寄付をさせて頂いている。
左のカテゴリーのフリーマーケットをクリックして頂けると二ヶ月に一度の収支決算報告をご覧になることが出来る。昨年一年間で、約44万5千円を国内外に寄付することが出来た。是非、皆様にもご協力頂けたら幸いである。
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