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(Tue)19:50

病気の子供にウィッグを…広がる「髪の寄付」 下を向いていた子が笑顔に

病気の子供にウィッグを…広がる「髪の寄付」 
下を向いていた子が笑顔に!

産経新聞 11月30日(日)8時5分配信

 長く伸ばした髪を切って寄付し、小児がんの治療などで髪を失った子供たちのウィッグ(かつら)に役立てるボランティアが少しずつ広がっている。髪を失って鏡を見ることができないほど落ち込んでいた子も、オーダーメードのウィッグで前向きになれるという。(加納裕子)

 ◆「役立つなら」

 「しばらく切っていないけど、長さは足りますか」

 大阪府泉南市の美容室「フォルム」で、腰まで伸びた長髪の女性がカットを依頼していた。和歌山市の主婦、山本文恵さん(40)だ。2年以上伸ばした髪を切り、子供の医療用ウィッグにしてもらうのだ。

 新聞記事で髪を寄付できることを知り、「自分の髪が役に立つのなら」と寄付を決めた。同店の美容師、公文(こうぶん)智靖さん(37)は髪の長さを測り「十分ですよ」とほほえんだ。

 フォルムはウィッグを製作、提供するNPO法人「ジャーダック」(大阪市北区)の賛同美容室だ。ウィッグに加工しやすいように客の髪をカットしてジャーダックに送っている。

 公文さんは約2年前、知人の美容師から聞いてジャーダックの活動を知り、これまでに25人ほどの寄付に関わった。「髪を切って商売するだけではなく、少しでも役に立ちたかった」という。

 ◆協力者1万3千人

 ジャーダックが活動を始めたのは平成20年11月。美容師3人が大阪市北区に美容室「ザ・サロン」を開業する際に、社会で果たせる新しい役割はないかと考え、米国ではボランティアとして根付いている「ヘアードネーション(髪の寄付)」を試みることにしたという。

 見た目が自然で、結んだり巻いたりできる人毛のウィッグは人気だが、当初、なかなか集まらなかった。転機になったのは、23年の東日本大震災。事務局の美容師、延岡瑛美さん(29)は「ボランティアが身近になったせいか一気に広がった」と話す。今では北海道から沖縄県まで約400の美容室が賛同。個人の寄付も含め協力者は約1万3千人にのぼる。

 現在は毎日、全国から約30通の封筒が届く。かつて病気治療で髪が抜けたが完治し、自分の髪を同じような子の役に立てたいと願う子や、親類が病気治療中だという人。髪と一緒に同封された手紙には、さまざまな思いがあふれている。

 ◆ウィッグで笑顔に

 送られてきた髪はまず、長さを選別。トリートメント処理を行って色も統一し、ウィッグに加工する。一つ作るのに20~30人分を使う。長さは最低でも31センチ必要だが、長髪を希望する女の子が多いため50センチほどの長めの髪が多く必要だ。

 これまでにウィッグを受け取ったのは、小児がんや無毛症などで髪を失った約45人。市販品は数十万円と高額なため、小さくなったウィッグを何年も使い続けていた子もいた。がん治療中で下を向いていた小学生の女の子は、ウィッグを付けると顔を上げて鏡を見つめ、笑顔をみせたという。

 ウィッグを希望してからの待ち時間は半年から1年。11月中旬の時点で26人が待機中だ。需要の多い長い髪が不足していることや、すべての作業を美容師が本業の傍ら行っており、人手不足が主な理由。闘病中は病院まで出向いて採寸やカットをするため、日程調整にも時間がかかる。

 延岡さんは「髪がなくても個性だと捉えられればいいけれど、多感な子には社会復帰の足かせになることも多い。老若男女、どなたでもできるボランティアをもっと多くの人に知ってほしい」と話している。                   ◇

 寄付の方法など詳細はホームページ

  http://jhdac.org/

C.O.M.M.E.N.T

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