2014_12
20
(Sat)19:01

近藤理論は、正義の味方か?読売新聞医療サイト:ヨミドクターより


近藤理論は正義の味方か?

近藤誠氏の産婦人科医に対する記事「簡単な検査を受けたら子宮全摘で一生副作用が-病院は、金
けのためなら、平気で患者の子宮を奪いとる!」が物議を醸しているとのネット記事を目にした。

確かに、かつてこのような病院があったのは事実である。しかし、ここまで言うと、度が過ぎていると言わざるを得ない。

 近藤氏の発言や書物がこれだけメディアにもてはやされるのは、商業主義によるものだろうが、日本のがん医療に対して感じている患者さんや家族の気持ちの反映であることも事実である。本来は、国立の機関や学会などがしっかりと、間違いをただし、反論をすればいいのであろうが、どういうわけか長期間にわたって放置されてきた。

 20世紀に広がった抗がん剤治療や21世紀になって続々と開発されている分子標的治療で、副作用に苦しむだけで十分な治療効果が得られない患者さんが少なくないのは事実である。

しかし、数十年前のがん治療と比較して、確実に治癒率が上がってきている。白血病などを見れば、抗がん剤治療・骨髄移植の進歩が、がん治療に果たしてきた成果は歴然としている。


がんもどき理論は世界に通用しない

 近藤氏を信じて健診を受けない人、抗がん剤治療を受けない患者が増えた場合、最大の被害者は医療機関ではなく、患者さん自身である。

早期発見は、がんを根治するためにきわめて重要であるし、抗がん剤治療を含め、がん治療を回避することは、生き延びる機会を失することにつながる。

したがって、がん治療医集団がはっきりと反論しないのは、患者さんに対する責任放棄と同列である。

 ここでは、私の専門的な立場から、近藤氏の「がんもどき理論」が、まったく科学的根拠を持たないことを指摘したい。がんには「本物のがん」と「がんもどき」があると称しているが、これは国際的には通用しないでたらめである。

100歳を超えた高齢者の脳とリンパ球のゲノムを調べた研究があるが、リンパ球には脳と比較して、遺伝暗号(DNA)の変化がより多く検出されている。

 細胞は分裂する際に、ゲノムDNAを複製して2倍に増やし、2個の細胞に均等に配分する。細胞の中には60億塩基対に及ぶ遺伝暗号があるが、これを複製する際に一定の割合でエラーが起こる。

したがって、常に分裂をしている骨髄細胞由来のリンパ球には、脳の神経細胞に比べて、多くのエラーが起こるのである。

放射線や紫外線でDNAが過度に損傷されるとがんのリスクが高まるのは、DNAの修復が追い付かず、遺伝子の傷が蓄積されるからである。


もてはやされる聞こえの良い話

 良性腫瘍が良性にとどまらないのは、家族性大腸腺腫症(APCと呼ばれる遺伝子が変異していることによって起こる病気で、10-20歳代で大腸に数千個のポリープが生ずる。外科的治療をせずに放置すると100%の確率で大腸がんが生ずる)の例で明らかである。

遺伝子の異常は一定の確率で起こるので、ポリープ(腺腫)の数が多ければ、数に比例してがんを起こす遺伝子(がん遺伝子、がん抑制遺伝子)に異常が起こる確率が高まるため、膨大な数のポリープが生ずるこの病気の患者さんでは、大腸がんが生ずる確率が高いのである。

 大きな大腸ポリープは、小さなポリープよりがん化しやすいことが知られているが、これも腺腫細胞の数を考えれば当然である。5ミリのポリープと2センチのポリープでは、細胞の数は直径の3乗の差となるので、64倍の違いとなる。したがって、2センチのポリープにがん化に関わる遺伝子異常が起こる確率は、5ミリのものと比較して、数十倍から100倍と格段に高くなるのである。

 また、大きながんの組織を調べると、すべての細胞が同じ遺伝子異常を持っているのではなく、部分、部分によって、遺伝子異常が異なっていることが多くの例で報告されており、がん細胞は常に変化し続けていることが証明されている。

良性の腫瘍が永遠に良性で、比較的おとなしいがんが、永遠におとなしくしていることなどありえない。「がんもどき」がずっと「がんもどき」でいるなどと言えば、医師としての見識を問われる。

 聞こえのいい話がもてはやされるのは、がん患者やその家族の医療に対する不信のマグマが蓄積されているからであろう。

しかし、売り上げを稼ぐために、科学的根拠のないものが流布され、結果的に誰が被害者となっているのかを考える必要がある。といっても、患者さんや家族の不安・不満をしっかりと拾い上げ、医療不信を払拭しないかぎり、悪魔のささやきが、正義の声にすり替わってしまうであろう。

中村 祐輔(なかむら ゆうすけ)

1977年大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部付属病院外科ならびに関連施設での外科勤務を経て、1984-1989年ユタ大学ハワードヒューズ研究所研究員、医学部人類遺伝学教室助教授。1989-1994年(財)癌研究会癌研究所生化学部長。1994年東京大学医科学研究所分子病態研究施設教授。1995-2011年同研究所ヒトゲノム解析センター長。2005-2010年理化学研究所ゲノム医科学研究センター長(併任)。2011年内閣官房参与内閣官房医療イノベーション推進室長を経て、2012年4月よりシカゴ大学医学部内科・外科教授 兼 個別化医療センター副センター長。

コラムへの意見・質問などは こちら( t-yomidr2@yomiuri.com )
どの執筆者に宛てたものかをメールのタイトル等に書いてください

2014年12月16日 読売新聞)


【がん患者用帽子のPR! 】

インターネットショップから→http://urx.nu/3EhY

ブログから → http://urx.nu/2fQU

シャローム考案。会員手作り!プロ仕様!

再々加工!リバーシブル
両面無地1,500円 表地柄物 2,000円

一度購入されると、こんな帽子が欲しかった・・と、再度ご購入下さる方が多い。

ご自分へ、もしくは、抗がん剤で脱毛したご友人へのプレゼントに最適!喜ばれること間違いなし。

がんでなくても、ご高齢の方たちにも人気である


【がん患者用♥内帽子(毛付きのキャップ)】
 のお申し込みはこちら↓

sugitocancer2@gmail.com

毛付きネット
 
がん患者用♥内帽子
※この上に、がん患者用帽子をかぶる。

全国一律送料込み
6,800円


C.O.M.M.E.N.T

コメントの投稿

非公開コメント