2016_01
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(Fri)18:10

「がん情報を見分ける.。知識は力。がんと向き合い、逃げない。」勝俣範之医師の取材記事掲載!東京民報

お断り!
次の記事は、東京民報 2016年1月17日号に掲載されたものの原稿段階のものである。(現物のコピペが困難であったために、原稿をコピペさせて頂いた。)

残念なお話が、と担当医師。ああ、がんだったんだ。帰り道、入った書店の家庭医学書の棚は、がんの本でいっぱい。どれを選び、何を信頼していいのか。がん情報を見分ける、を。

(上野敏行)

 

Ⅰ 正しい情報を知る

がんと知らされ、まず頭に浮かんだのが“死”。悪いことばかりが浮かび、怖さであふれそう。

術後の再発・転移を予測する要因(予後因子)がわかっています。腋窩(えきか)(脇の下)リンパ節転移が多く、がんの大きさが2㌢を超えている、などです。


「こんなとき再発・転移の危険性が高く、全身病としての対策が必要です。術後の抗がん剤治療(術後補助化学療法)を実施するのもそうです。

効果は最新のメタ解析(エビデンスレベル1の研究方法で最も信頼性が高い)で証明されています」

Ⅱ “闘うな”説の誤り

2015年10月、乳がん体験者の集まりであった発言です。 直径1㌢の早期がんで発見したが、〝治療しない”を選択。1年半後、がんは11㌢の大きさに。余命1カ月といわれ、生きたいと思い、治療を始めた、と。

“治療しない”を選択した、その元になった情報は“がんもどき”説でした。

 がんもどき説とは―。

“がんには「がんもどき」と「本物のがん」の2種類ある。「がんもどき」は進行せず、放っておいていい。「本物のがん」は最初から転移しているので治らない。治療は無駄であり、抗がん剤も効かない”

がんもどき説の最大の欠点は、と勝俣教授。「放っておいても“進行しないがん”か、“進行するがん”か。現代医学では最初から見極められないこと。


超早期がんでも進行し、亡くなる危険性があります。また、早期がんでも、進行がんでも、治療が有効であるということです」

「早期がん(非浸潤がん)であれば外科手術で
9899%は治ります。『本物のがん』(がんの進行を示す病期Ⅳに相当=遠くの臓器に転移がある)であっても、積極的な治療で、共存可能で、一部ですが、治ります」

抗がん剤についても、がんもどき説では“効かない”という。分子標的薬トラスツズマブもその一つとして名前を上げています。

現在、トラスツズマブは、HER2陽性乳がん(乳がんの約3割。進行が速く、悪性度は高い。予後も悪い)の第1選択薬です。

事実は、効果あり。
臨床試験の結果が出たときは世界の研究者・医師が予想以上と驚きました。その報告です。(米医学誌The New England Journal of Medicine  01.3.15

対象は転移性乳がん(HER2陽性)469例。研究方法は、トラスツズマブ+標準治療群と標準治療群に無作為に割り付けて比較する臨床試験(ランダム化比較試験)です。

結果、トラスツズマブ+標準治療群は標準治療群と比べ、全生存期間(中央値)を4・8カ月延ばして25・1カ月にした!

まだあって。
術後乳がん(HER2陽性)4046例のランダム化比較試験で、10年追跡した報告です。(米医学誌Jounal of Clinical Oncology 2014.11.20

結果、トラスツズマブ投与群は非投与群と比べ、全生存率を8・8%向上させ、84%になった! (研究方法は共にエビデンスレベルⅠで最も信頼性が高い)

10年の長期追跡の結果はより信頼性が高い。トラスツズマブが再発・転移を減らして全生存率を向上させる確かな証拠です」

次回は24日号で具体的にがん情報の信頼性をどう見分けるか。ステップ1~6で考えていきます)

     ◇ 

*エビデンス 科学的根拠。エビデンスレベル1は5段階のうち最も信頼性が高い。

*メタ解析 複数のランダム化比較試験の結果を統合・解析する研究方法。そこで得た結果は十分なエビデンスがあり、積極的に実戦するよう推奨される。

 

*ランダム化比較試験 無作為に割り付けし、新しく有効性が確認された治療を受ける人と、標準治療を受け

受ける人の治療結果を比較する。

目に飛び込んでくる言葉は、“奇跡の治療”とか、“がんと闘うな”とか。こころが揺れ、動く。

「がんを否定したい患者さんの気持ちはよくわかる」というのは、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科の勝俣範之教授。

専門は内科腫瘍学、抗がん剤の副作用を抑える支持療法、がん患者とのコミュニケーションです

がんは無秩序に増殖した細胞の“塊”。周りの正常な組織に侵入(浸潤)し、破壊していきます。また、がん細胞は血液やリンパの流れに乗り、移った先でも増殖していく。

乳がんではー。がんがしこりとなって触れた時点で、すでに数個のがん細胞が全身の臓器に飛んでいることもあります。(微小転移)

微小転移のがん細胞は移った先(骨や肺、肝臓など)で増殖。数年後、ある程度の大きさ(10㍉前後)になり発見されます。これが再発・転移です。。「正しい情報を知って、がんという病気に向き合い、逃げないでほしい」知識は力。というわけで、がんとは何か、から。

C.O.M.M.E.N.T

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