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2018_01
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(Thu)17:56

がん検診に大革命!血液一滴で13種のがんを早期発見

下記の記事は、昨年9月30日配信のものであるが、昨年暮れにも、大々的にテレビで発信していたので、年の初めに希望の記事とさせて頂いた。
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更新日2017年9月30日(NHK健康ch)

13種類のがんをごく早期に、しかもごく簡単な方法で発見する―
そんな夢のようながん検査法を確立しようという国家プロジェクトが、いま佳境を迎えています。

その検査の方法とは、血液中を流れている「がん細胞からのメッセージ」をとらえて、体に潜んでいるがんの種類を特定しようというもの。

一体どんな仕組みなのか、そしていつ私たちが受けられるのか。研究の最前線からその可能性をお伝えします。

「夢のがん早期診断」が実現間近に

この研究は2014年、国立がん研究センターを中心に、9つの大学と6つの企業が参加してスタートしました。

まだ試験段階ではありますが、血液検査をするだけで、胃がんや乳がんといった患者数の多いがんはもちろん、希少ながんも含めた13種類ものがん(大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、食道がん、肝臓がん、胆道がん、すい臓がん、卵巣がん、ぼうこうがん、肉腫、神経膠腫)を、ごく初期の段階で診断できるという、夢のような検査手法が実現しようとしています。

最新報告によれば、がんを正しく判定できる精度は95%以上という結果が出ています。3年後の実用化を目指し、現在急ピッチで研究が進められています。

現在のがん検診は、それぞれのがんによって異なる種類の検査を受ける必要があります。患者にとって負担が大きいうえ、中には痛みや精神的な苦痛を伴う検査もあるのが現状です。

いまや日本人の2人に1人ががんと診断される状況ですが、検診の受診率は全体の3割にとどまっており、先進国の中でも低い割合です。

検査の負担を軽くすることは、がんの早期発見・早期治療を実現する上で、とても大事な課題なのです。

この研究を率いる国立がん研究センター研究所の落谷孝広主任分野長は、「国民の多くの方がこの新しい検査を受けられる時代がくれば、がんを早く見つけ出し、早く治療することができるようになります。

それによって、がんによる死亡者数を国民全体で減らすことが究極の目標です」と熱く語ります。

この画期的ながん検査で調べるのは、血液の中を流れる「マイクロRNA」と呼ばれる物質(核酸)です。マイクロRNAは、遺伝子の働きを調節し、細胞の働きを変えてしまう作用があることがわかっています。

私たちの血液の中には、およそ500種類ものマイクロRNAが流れていると言われていますが、検査で注目するのは、「がん細胞が放出するマイクロRNA」です。

最新研究によって、がんのタイプにより、放出するマイクロRNAの量や種類が異なることがわかっています。

国立がん研究センター研究所では、企業と共同でごく微量のマイクロRNAを正確に測定できる装置を開発。

それによって、体の中にどんな種類のがん細胞が潜んでいるかを早期に突き止めることが可能になりつつあるのです。


マイクロRNAが検出されれば、画面に赤い点が表示される

世界が注目する、がん細胞が出す「エクソソーム」

がん細胞が出す「マイクロRNA」。実は、ある特別な「カプセル」に封じ込められた形でがん細胞から放出され、血液に乗って全身をめぐっていると考えられています。その「カプセル」とは、「エクソソーム」と呼ばれるものです。

エクソソームは、直径わずか1万分の1ミリほどの、まさに小さなカプセル(小胞)で、がん細胞だけでなく、ほとんどすべての細胞が分泌していることが分かっています。

かつては、細胞が不要になった物質をこのエクソソームに封入し、外に排出していると考えられてきました。

しかし10年前、エクソソームの中に「マイクロRNA」が含まれていることをスウェーデンの研究者が発見。

さらにその後、落谷さんの研究チームが、なんと細胞同士がこのエクソソームの中のマイクロRNAを使ってお互いに"情報交換"をしているという驚くべき事実を突き止め、世界に衝撃を与えました。

これまでさまざまな細胞が、「ホルモン」や「サイトカイン」などと呼ばれるミクロの物質を出して、情報交換を行っていることは知られていました。

その「細胞間コミュニケーション」の新たな道具として、「エクソソーム」の存在が明らかにされたのです。


さまざまながん細胞が出すエクソソーム  

(国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野 落谷孝広)

がん細胞は、何のためにエクソソームを出しているのか。落谷さんたちの研究によって、実はがん細胞が、このエクソソームを"武器"として使って、転移や再発を引き起こしていることが突き止められました。

たとえば、乳がん。乳がんは早期に治療すれば比較的完治しやすいがんとされていますが、長い期間を経て脳に転移する場合があることが知られています。

しかし本来、脳の血管には「血液脳関門」と呼ばれるバリアのような構造があり、がん細胞はそのバリアを突破して脳内に侵入することは困難です。

脳の血管は、そのほかの全身の血管と異なり、血管の壁を覆う細胞同士がかたく結びつき、脳へ入ることのできる物質を厳しく制限・調節しているためです。

このバリアを、がん細胞はどうやって突破しているのか。これまで謎とされてきた、その詳しいメカニズムを、落谷さんたちは解き明かしました。

まず、乳がんの細胞から放出されたエクソソームは、血液に乗って脳の血管までたどり着きます。すると、「血液脳関門」を構成する内皮細胞という細胞は、なぜかこのエクソソームをがん細胞から来たものとは知らずに受け取り、カプセルを開封してしまいます。

すると、エクソソームの中に潜んでいた「マイクロRNA」が内皮細胞の中へ侵入。遺伝子の働きを変えることで、血液脳関門のバリアを緩めさせてしまうのです。

その後、血液の流れによって運ばれてきた乳がんの細胞は、このバリアが緩んだ部分から脳の内部に入り込みます。こうして、脳への転移を起こすのです。

落谷さんは語ります。「がん細胞というのは非常に悪賢いです。がん細胞が出すエクソソームとは、相手がうっかり開けてしまうと、とんでもないものが感染して異常な事態を引き起こす、まさにインターネット上の"ウイルスメール"のようなものなのです。」

国立がん研究センター研究所では、こうしたがんのメカニズムを研究することで、今回の13種類のがん診断技術のほかにも、新たな治療法を生み出そうとしています。

また、海外でもエクソソームを利用したがん治療の臨床試験が始まるなど、盛んに研究が進められています。がんの克服を目指した最先端の研究から、目が離せません。


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