苦しいときは

苦しいときは 

苦しいときは 昔を思い出すといいよ
自分が生まれた日
はじめて母のふところに抱かれてやすらいだ朝を
わが子に人生を与えた親の思いを
思い出すといいよ
悩みなく遊びまわった幼いころ
ころんでもころんでも世界を信じて
傷が治らないうちにまた走り出した夏休みを
思い出すといいよ
夢破れて死のうとさえ思ったあの夜を
もう二度と朝は来ないと思っていたのに
やがて魂に忍び込んできたあの夜明けの美しさを

苦しいときは 今をよく考えるといいよ
自分だけのちっぽけな物語を
それが壊されて苦しんでいるもろい心を
それらを包みこむ大きな物語がきっとあることを
よく考えるといいよ
誰にも分かってもらえないはずのこの苦しみと

同じ苦しみを今この時耐えている友がいて
深い祈りの世界で結ばれていることを
よく考えるといいよ
自分はもう十分に苦しんだこと
苦しみながらも今ここに生きていること
苦しんだ者だけが放つ輝きに包まれていることを

苦しいときは 明日を夢見るといいよ
いつかすべてを月日が洗い清めて
こころにひとかけらの汚れも痛みもなく
晴れわたった雪山の青空のようになれる日を
夢見るといいよ
苦しみ抜いた末に優しさのちからを知り
苦しむ人の気持ちが痛いほど分かるようになり
涙にくれる誰かの隣にそっと寄り添える日を
夢見るといいよ
苦しみはいつか喜びにかわると身をもって知り
あの最もつらかった一日こそが
最もありがたい一日だったと感謝できる日を

それでも苦しいときは もう何もしなくていいよ
歩けないなら歩かなくていいよ
弱ったその身そのままで黙って座っていていいよ
冬眠中の天道虫のように小さく丸くなって
何もしなくていいよ
今日も揺れ騒ぐ波の底に貝は眠り
風わたる樹々を覆い星空はめぐる
人はすべてのいのちと結ばれているから
何もしなくていいよ
一粒の苦しみも見逃さない天使たちに囲まれて
誕生への深き眠りに落ちていこう
あらゆる苦しみは生みの苦しみなのだから

晴佐久 英昌 著


  1. 2008/08/09(土) 19:48:04|
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贅沢な時間!

抗がん剤治療中、子供達の通っている中学校のPTA文化活動部が、気功の体験講習会を開いた。興味があったので、副作用で気分も悪かったが、兎に角ウィッグを着用して一人で参加した。約30名弱、当時の私はがんをカミングアウトしていなかったので、誰も知っている人がいなくてほっと安堵した。

がん患者の約8割は、サプリメントをはじめとする代替医療をやっている(抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証 三省堂)という。私も漠然と気功はがんにいいかもしれないと体験してみた。悪くない。

その場で、どこの教室で気功を教えておられるのか講師に聞いたが、この杉戸近辺ではなく春日部が一番近い教室だった。抗がん剤終了後何となくやってみたい衝動にかれていた。

半年間の抗がん剤が終了し、私はPTA役員に問い合わせて講師に連絡を取った。生徒を集めるので我が家でやってもらえないか・・と。その後週一の頻度で4年半我が家の3階で気功を習った。

生かされた命を社会の為にも役立てたいと始めたフリマは、献品者がじわりじわりと広がり品物の置き場所に窮するようになった。気功は、近くの集会場を使うことになり場所を変更した。今や、14〜5畳の3階は献品の品物で埋め尽くされている。

そして、私はこれを機にヨガに転向した。そのヨガ教室に通ってもう2年半くらい経つ。そこでの講師は、『何も考えず、どうか、この1時間は心の声に耳を傾けて、贅沢な時間をたっぷり楽しんで下さい。』と、よく言われる。

意識しているわけではないのに、嫌なことも気にしていることも、不思議にヨガをやっている時は、頭からそれら一切合財を忘れている。

57歳の体では、手も届かない。開脚もままならない。それでも無理をしない程度に、ちょとだけ無理をする。このヨガを一週間休むと体が固くなっているから本当に老化の一途であることは否めない。

ただ私はがん患者なので、体を柔らかくする・・というより、経絡(気血)の流れをよくするという目的で通っている。

今日はその贅沢な時間をたっぷり堪能した・・とは言いがたい。(苦笑)インドで2週間ヨガ療法を修行して来た講師は、ゆっくりとした動きの中に、相当同じ姿勢を長く保たせた。よっぽどリタイヤしようと思ったくらいきつかった。

しかし、絶えず気になっている事物をやっぱりその1時間は忘れていた。寝ている間以外は、忘れたことのない憂う悩みもこの1時間は解放されていた。

私にとって否がん患者にとって、がんを忘れ、悩みを忘れ、苦しみを忘れ、頭を真っ白にする時間があるって、本当はものすごく贅沢な時間なんだなぁ〜と、つくづく今日は実感した。

  1. 2008/08/08(金) 20:17:36|
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お心一等賞Part8!

今日は、A子ちゃんの装具?から解放された写真を撮りに行った。上腕部が随分長く延長されていて、家族と共に喜んだ。笑ったA子ちゃんに、可愛いえくぼがあることに今日気付いた。

『おばちゃんのブログを見て、感動して泣いた。』 『どういうところで?』 『私のようなたったあんなブログが、その人の励みになったと思ったら、嬉しくて泣いた。』ということであった。

母親は、『わんわん声を上げて泣いているので、何事かと思って部屋に入ってみたら、シャロームさんのブログを見て、嬉し涙を流していた。ほっとした。』と、言っていた。このブログを読んでまた彼(多発性骨髄腫の会員さん)は、感無量となることだろう。何と言う双方向の威力だろう。是非、青字反転の記事を読んで頂けたら幸いである。

『10月には、足の延長術。そして、高校生になったらやらない。でも、大学生になってもう一回やる。大学生なら留年しても恥ずかしくないでしょう?』 『中学1年の時は、スキー教室に行けなくて残念だった。でも、中学3年の修学旅行には行きたいなぁ〜』と、しっかり人生設計を立てている。

当たり前に学校行事に参加しているお友達にくらべ、もし仲間と一緒に修学旅行が出来たら、A子ちゃんのその喜びは、とてつもなく大きな贈り物となるのだろう。

私の様な病もA子ちゃんのような障害も、決して試練だけではなく、それを通してしか味わい知ることの出来ない素晴らしいご褒美が用意されているような気が、A子ちゃんを見ていてそう思う。

『A子ちゃんには、A子ちゃんにしか出来ない仕事がきっとある。でも、もしかしてしっかり勉強しなくちゃそれになれないかもしれない。ライセンスを取るためには、試験に合格しなくちゃならないからね。』などという話をしていたら、傍らで聞いていたママが心なしか涙ぐんだように見えた。

『私は、この障害を負いながら生きるためにやるべきことをやっているに過ぎない。でも、世間の人は偉いねっていうけど、私にしてみれば、当たり前のことをやっているだけなので、ちょっと、あれ?って思うんだよね。』とも話してくれた。うん。うん。がん患者の心理と同じだなぁ〜。何だかぎゅ〜っと、彼女を抱きしめたい心境になった。

8月3日までは、下記のように装具をつけていた。
延長術 ※痛々しい装具の装着。切断した骨をロットで操作して一ミリずつ伸ばす。
8月4日に抜去術を終えて↓
 はるかちゃん 上腕骨延長術※前腕部とはやはり長さが異なる。

前腕部は、神経が張り巡らされている、とう骨・尺骨の二本がある。その為に、この前腕部は、現代の医学では延長術は不可能とされている。

夏椿 一週間の出来事etc。。。の中に、延長術の手術内容などが詳しく書かれている。このブログをご覧になったシャローム会員さんが、このA子ちゃんから元気をもらい、そしてその反応を読んでA子ちゃんが感動する。

弱さが益に変えられた素晴らしい出来事。私も弱さを恥としない生き方をしたいと思うが現実は難しい。私はA子ちゃんの生き方を応援しながら、ちゃっかりその生き方から多くのものを学んでいる。

さて、
8月19日から家を空けるので、A子ちゃん姉妹がお庭の水遣りと猫ちゃんの餌やりのアルバイトをしてくれることになった。

アルバイト料もママ立会いのもと商談成立!ママは、『お世話にいっぱいなってるんだから、返しきれないくらいなんだから、今回のような時は、アルバイトではなくやらせてよ。』と、言った。気持ちは分るが、我が家の次男君もしっかりA子ちゃん家のアルバイトを喜んでやらせてもらった。

二人の姉妹は、にこりと満面に笑みで、『アルバイトやりたぁ〜い。』と、意気込んだ。

★今までのブログ関連記事!
お心一等賞!
お心一等章!Part2
お心一等賞!Part3
お心一等賞!Part4
お心一等賞!Part5
お心一等賞!Part6
お心一等賞Part7

  1. 2008/08/07(木) 20:45:42|
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携帯忘れ!

今日は、キャンサー関係のボランティアをするために都内の某所に出掛けた。電車に乗ってすぐに携帯を忘れたことに気付いたが、取りに帰る時間はなかった。

ところが、その団体の事務所は、オートロックのマンションの一室にあるために、部屋の番号をプッシュしなければならない。ぎゃ〜どうしようマンションの中に入れない。まずは派出所に行こう!

おまわりさんは、すぐにその場所を私に地図を見ながら説明する。しかし、行き方は分っているのだ。『派出所からそこに電話して部屋の番号を聞いてもらえないか・・』と、お願いした。が、『たとえ警察から電話をしても、今は教えてもらえない時代だから・・・。』と、取り合ってくれない。

仕方がないので、それでは公衆電話ボックスの設置場所を教えてもらい、104で問い合わせた。生活万般の控えは、手帳ではなくすべて携帯に入力しているために、こういった時には、にっちもさっちもいかない。まぁ〜今回は、そういう訳で難を逃れたけれど・・。

それはそうと、我が家の長男君は、忘れ物の王者だった。参観日の日、後ろの掲示板には、月別忘れ物表が貼られていた。知り合いのお子さんと我が家の長男君がどんびりのケツ争い(あらら。お下品な・・。)をしていた。

他のお子さんが忘れ物をしないのではない。いつも名札の裏側に10円玉を忍ばせて、忘れ物をしたら学校に設置してある公衆電話から家に電話して、親に持ってきてもらっていた。

忘れ物をする児童の親のほとんどは、学校の下駄箱に忘れ物を届けていた。だから忘れ物表には、忘れ物をしたことになっていない。どうしてそういうことをするのか、私には分らなかった。

忘れ物をしない工夫は本当に大切だと思う。しかし、もっと大切なことは、忘れ物に気付いた時、その窮地に立った時、智恵を絞ってその対応策を考えることの方が私はもっと大切なことだと思っていた。 だから私は届けない。もっとも、我が家の子供達も『どうせ、お母さんは持って来てくれない。』と、当てにもしていなかった。

他のお友達に借りるのもいい。何かそれに代る物はないか・・と考えるのもいい。忘れたことをごめんなさいと謝るのもいい。親が尻拭いをしたのでは、社会的スキルは育たないのではないのか・・と、私はそう思っていた。

でも、一度だけ、お友達から10円を借りてSOSを発信したことがあった。私は、勿論届けた。『特別だからね。』『分ってる。ありがとう。助かったぁ〜』親子でそんな会話を交わした。と記憶している。我が家とその小学校は、自転車で1分。徒歩3分の目と鼻の先。それでも、忘れ物を届けたのは、この一回だけ。

臨機応変な対応が必要な事だってあるし、逆境に立った時、親は自分を見捨てない・・という、そういう信頼関係も必要だと思っている。が、その見極めは?と、言われると難しい。

どんびり争いをしていた長男君と知り合いのお子さん(この子の親も、忘れ物を届けなかった。)は、今では社会人となり自立した生活を送っている。はてさて今も、うまく忘れ物をごまかしているのか、私には知る由もない。

忘れ物をする人は、本当に苦しいようであるが、その分、とても生き方(社会性)が豊富なような気がする。夫をみていてそう思う。(笑)『余計なことを書くな!』と、大阪から石が飛んで来そうだが・・。

★本日、がん患者会シャロームHPの報道情報を更新しました。

  1. 2008/08/06(水) 23:02:54|
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ランチオフ会

今日は、30代の会員さん二人と30代の時に発症した愛しい日々の管理人(昨日の私のブログ記事読んでね。)の会員さんと、私の4人のランチオフ会を鷲宮の豆蔵で開いた。後に私と同い年の会員さんもお茶の時間に合流した。

いつも思うのであるが、ただがん患者という共通点だけなのに、本当にすぐに打ち解ける。30代同士は初対面。またそれぞれ初対面の人もあった。

ランチオフ会は、がんの話もさることながら、それだけではない。職場環境の意地の悪い女性の話や(笑)、小説が書けるくらいのいじめなど、信じられないようなその陰険さに声をたてて笑った。

12時半から始めたランチは、4時半まで居座って話しに花が咲いた。帰りの車の中で、ランチオフ会初参加の会員さんは、『みんなの話はすごく勉強になった。』また、2回目参加の会員さんは、『一番最初は、本当に緊張したのに、不思議ですよね。すぐに仲良くなれるんですよね。』と、若い二人はランチオフ会を楽しんでくれた。

愛しい日々の管理人の会員さんは、お父様の看病体験がきっかけとなり、ハンドマッサージなどアロマセラピストの公式認定のライセンスを取得した。

シャローム会員さんの中には、49歳で正看護師のライセンスを取った方もおられる。現在はがん闘病の為に休職中であるが、現役の看護師さんだ。

その彼女の存在は、愛しい日々の管理人会員さんにとっては、大きな励みになった・・と述懐した。どんなことが、相手を励ますことになるか、本当に分らないと思った。そういった意味では、がん患者会シャロームは、情報の宝庫だと思う。

まったく誰にもがん罹患を隠している若い会員さんは、患者の集いへは不参加だ。それが条件でシャロームに入会された。そういうことは、ノープロブレム。いろんな参加の仕方があっていい。でも、繋がりだけは持ち続けたいと思っている。

新しい情報や人との関わりを通してがん患者は成長する。今日は、30代の会員さんの車に乗せてもらった。私のようにノロノロ・モタモタでない、ちょっと元気と勢いのある運転に、彼女のまた違った側面を見たようで、更に慕わしくなった。

ウィッグの取れた頭は、ちょっと昔のモンチッチ。まだ前髪が短い。髪型が違うだけでこんなにも人のイメージは異なるものかと驚いた。童顔の彼女は、最初の治療への迷いは払拭され、もう一歩先行く先輩のような風格さえ感じられた。

さて、
夏椿 一週間の出来事etc。。。のA子ちゃんの退院予定。まだママが迎えに行ったまま帰宅していない。ギリギリまで痛み止めや感染症予防の点滴を受けると言っていた。早くその装具をはずした開放感を自宅に戻って存分に味わって欲しいと思っている。
ババロア A子ちゃんから宿題に出されていたカルピスババロア!
お皿は、A子ちゃん家のもの。このババロアは、誰にでも出来るのでお勧めである。実は、一人暮らしをしている我が家の長男君も、単身赴任中の夫も作っており、周りの人たちから好評を博している。

綺麗な二層になっているのだが、ご覧頂けるだろうか?

レシピは、これ↓ この通りにすると失敗しない。熱湯であることがミソ
http://cookpad.com/recipe/489064

イメージ画像は、これ↓
http://cookpad.com/recipe/73493

お試しあれ!

PS
先ほど、Aちゃんよりメールが来て、痛みが不規則に表れているので、ブログへの更新は、今週土曜日あたりからになることを皆さんに伝えて下さい・・ということでした。皆様。お楽しみに・・。

  1. 2008/08/05(火) 20:47:48|
  2. 活動報告
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